羽生市パブリック・コメント制度に関する要綱の逐条解説

公開日 2009年06月01日

更新日 2015年02月07日

羽生市パブリック・コメント制度に関する要綱の逐条解説

(目的)
第1条 この要綱は、市民等の意見及び要望を積極的に市政に反映させるとともに、透明で開かれた市政を目指し、市民等に対する説明責任を果たすため、パブリック・コメント手続に関する基本的事項を定めることを目的とする。

【運用・解釈】

  1. パブリック・コメント制度の目的は、市民等の多様な意見を市政に反映させることであるが、この制度の実施により、施策等の立案から最終的な案の決定に至った過程が公開され、市民等の意見に対する市の考え方が公表されるので、施策等の形成過程における公正の確保と透明性の向上が図られるものである。
  2. 今までも各部課の判断で、パブリック・コメント制度に類似した手法を用いた例はあるが、この要綱の制定により、全庁共通の統一ルールとして制度化されることとなる。
  3. この制度は、あくまでも計画等の案の内容をより良いものにするために、市民から意見を募集し、意思決定を行うための参考とするものであり、賛成・反対の各意見の多寡で意思決定の方向を判断する住民投票類似の制度ではない。この制度においては、多数意見も少数意見も一意見として扱う。

(定義)
第2条 この要綱において、「パブリック・コメント手続」とは、市の重要な施策の形成過程において、その施策に関する計画等の趣旨、内容、その他必要な事項を公表し、広く市民等から意見、情報及び専門的な知識(以下「意見等」という。)を求め、寄せられた意見等を考慮して意思決定を行うとともに、意見等に対する考え方を公表する一連の手続をいう。
2 この要綱において、「実施機関」とは、市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会をいう。
3 この要綱において「市民等」とは、次に掲げるものをいう。
(1)市内に住所を有する者
(2)市内に事務所又は事業所を有するもの
(3)市内の事務所又は事業所に勤務する者
(4)市内の学校に在学する者
(5)本市に対して納税義務を有するもの
(6)前各号に掲げるもののほか、パブリック・コメント手続に係る事業に利害関係を有するもの

【運用・解釈】

  1. 一般的に要綱中の用語の使い方を説明している定義規定にとどまらず、本規定は、市が新たに設ける制度であるとの位置付けを明確にする意図がある。
  2. この制度を市政全般に適用させるため、議決機関である議会を除く市の機関すべてをこの制度の実施機関に位置付ける。なお、水道事業管理者は、市長としての実施機関に含まれる。
  3. 教育委員会の事務に係る条例についての実施機関については、地方自治法第149条の規定により条例の提案権は市長に専属するので、市長になる。
  4. 本市に在住、在事務所、在勤、在学者、納税義務者、利害関係者を「市民等」と定義し、パブリック・コメント手続の「意見等を提出できるもの」に位置付ける。

(対象)
第3条 パブリック・コメント手続の対象は、次に掲げる施策等(以下「施策等」という。)とする。
(1)基本構想等市の基本的施策を定める計画の策定又は重要な変更
(2)市の基本的な制度を定める条例の制定又は改廃
(3)市民等に義務を課し、又はその権利を制限する条例(市税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関するものを除く。)の制定又は改廃
(4)大規模な公共事業の基本的な計画の策定又は変更
2 次に掲げるものについては、この制度の対象としない。
(1)迅速若しくは緊急を要するもの又は軽微なもの
(2)法令その他の規定により、縦覧等のパブリック・コメント手続と同様の手続を行うもの
(3)地方自治法(昭和22年法律第67号)第74条第1項の規定による直接請求により議会に付議するもの

【運用・解釈】

  1. 行政の効率性を考えるとすべての施策などについて、この制度を実施することは困難であるので、市民の生活に重大な影響を与えるような施策などに限定してこの制度を実施するものである。
  2. 具体的な案件がこの制度に定める手続を取るべき対象であるかどうかについては、個別の計画の性格、内容等に応じて実施機関(計画内容を熟知する各部課)がこの制度の趣旨に照らして判断し、また、その判断についての説明責任を負う。
  3. 「基本構想等市の基本的施策を定める計画」とは、基本構想総合振興計画など市の将来の施策展開の基本方針や進むべき方向、その他基本的事項を定める計画等のことをいい、構想、計画、指針などの名称は問わない。
  4. 「市の基本的な制度を定める条例の制定又は改廃」とは、「行政手続条例」「情報公開条例」など、市政全般又は個別行政分野における基本理念、方針、市政を推進する上での共通の制度を定めるもので、部設置条例、職員の給与に関する条例など行政内部のみに適用されるものは該当しない。
  5. 「市民等に義務を課し、又はその権利を制限する条例」とは、地方自治法第14条第2項(普通地方公共団体は、義務を課し、又は権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない。)に基づく条例が該当する。「金銭徴収に関する条項」を適用除外としたのは、財政に与える影響について十分な検討のないまま負担軽減を求める意見が多く提出され、容易に修正すると財政的基盤を揺るがす恐れがあるとした地方自治法第74条第1項のかっこ書の直接請求の対象外事項の趣旨は、介護保険料等、金銭徴収に関する条項一般にも及ぼすことが適当であるため、金銭徴収に関する条例(金銭徴収に関する条項のみ)をパブリック・コメント手続の対象外としたものである。
  6. 「市民等に義務を課し、又はその権利を制限する条例」の制定の場合、本手続の対象を当該部分だけに限って差し支えないが、市民等が当該案を理解するための関係資料として条例案全体を併せて公表するものとする。
  7. 改正の場合、当該部分の改正がない場合には、第3条2項の「(1)迅速若しくは緊急を要するもの又は軽微なもの」に規定する「軽微なもの」(制度の大幅な改正又は基本的な事項の改正を伴わないものや制定・改廃の方法・内容について法令等に定められていて裁量の余地のない場合をいう。)に該当するので、本手続の対象外である。
  8. 全市域を対象とする大規模な公共施設の基本的な事項を定める計画を対象とする。
  9. 「迅速若しくは緊急を要するもの」とは、本手続に係る所要時間の経過により、その効果が損なわれるなどの理由で、本手続を経る暇がない場合をいう。
  10. 「軽微なもの」とは、制度の大幅な改正又は基本的な事項の改正を伴わないものや制定・改廃の方法・内容について法令等に定められていて裁量の余地のない場合をいう。
  11. 法定縦覧手続など、案の公表、市民等の意見提出が法令で定められている場合、提出された意見及びこれに対する実施機関の考え方を公表することで、パブリック・コメント手続を実施したこととするものである。
(法令で公聴会の開催、縦覧・意見書の提出が予定されている例)
  1. 都市計画の決定(都市計画法)
  • 都市計画の原案作成段階での公聴会による住民の意見の反映
  • 都市計画の案の縦覧時の意見書の提出制度(提出された意見の要旨を踏まえ都市計画審議会で審議)
  • 土地区画整理事業計画の縦覧及び意見書の提出
  • (施策等の案の公表方法)
    第4条 実施機関は、施策等の策定をしようとするときは、その意思決定を行う前の適切な時期に、施策等の案を公表しなければならない。
    2 実施機関は、前項の規定により施策等の案を公表するときは、施策等の趣旨及び目的並びに背景等の関係資料を併せて公表するよう努めるものとする。
    3 前2項の規定による公表は、実施機関が指定する場所での閲覧及び配布、インターネットを利用した閲覧等の方法により行うものとする。

    【運用・解釈】

    1. 計画等の案を公表するに当たっては、市民等がその案件について内容を十分理解し、適切な意見を提出できるように、市民等にとってのわかりやすさを心がけるとともに、案だけでは十分理解できない場合には、関係資料及び関連情報を併せて提供する。
    2. 関係資料とは、以下に掲げるものをいう。
      1. 根拠法令
      2. 計画等の策定又は改定にあたっては、上位の計画等の概要
      3. 施策等の実施により生じることが予測される影響の程度及び範囲
      4. その他必要な資料
    3. 条例案についてパブリック・コメント手続を実施する場合は、「条文形式」ではなく、市民にわかりやすいように「条例案要綱」又は「骨子等」によるものとする。
    4. パブリック・コメント制度の実施に当たっては、広く市民等に周知することが重要であるので、計画等の案及び資料等を実施機関の指定する場所として当該計画等の案の所管課、情報公開の所管課窓口に備え付けるとともに、広報はにゅう、市のホームページに掲載することとする。
    5. 案及び公表資料が相当量に及ぶ場合に、そのすべてをホームページや広報紙等に掲載することは、行政効率の面から不適当と思われるので、その場合は、活用する公表方法すべてにおいて、案及び公表資料全体を添付する必要はない。この場合、案及び公表資料全体の入手方法を明確にして、周知することとする。

    (意見等の提出)
    第5条 実施機関は、施策等の案の公表の日から1か月以上の期間を設けて、施策等の案についての意見等の提出を受けなければならない。ただし、緊急の場合は、当該期間を短縮することができる。
    2 前項の意見等の提出の方法は、次に掲げるとおりとする。
    (1)実施機関が指定する場所への書面の持参
    (2)郵便
    (3)ファクシミリ
    (4)電子メール
    (5)前各号に掲げるほか、実施機関が必要と認める方法
    3 意見等を提出しようとする市民等は、意見等を提出する際に、住所及び氏名、法人その他の団体にあっては、主たる事務所の所在地、名称及び代表者の氏名を明記しなければならない。

    【運用・解釈】

    1. 第5条第1項のただし書の意見提出の期間の短縮と第3条の緊急を理由とするパブリック・コメント手続の省略との違いは、緊急の度合いによるものであり、期間短縮しても意味のないものは、第3条の適用除外の方法によることになる。
    2. 意見の提出方法は、窓口への持参、郵便、ファクシミリ、電子メール等とし、案の公表の際に明示することとする。
    3. 市民等が意見を提出する際には、意見提出に係る責任の所在をはっきりさせることと、意見内容の確認を行う可能性があることから、原則として意見を提出した者の氏名及び住所(法人等の場合は、その名称及び事務所等連絡先の所在地等)を明らかにして行うこととし、案の公表に際しては、その条件を明示することとする。
    4. 提出に使用する言語は、日本語を基本とするが、他の言語を提出に使用する言語として定めた場合は、日本語訳の添付を求めることができることとする。

    (意思決定に当たっての意見等の考慮)
    第6条 実施機関は、前条の規定により提出された意見等を考慮して、施策等の策定の意思決定を行うものとする。
    2 実施機関は施策等の意思決定を行ったときは、次に掲げる事項を公表しなければならない。ただし、羽生市情報公開条例(平成13年条例第2号)第5条に規定する不開示情報に該当するものは除く。
    (1)提出された意見等の概要
    (2)提出された意見等に対する実施機関の考え方
    (3)施策等の案を修正した場合における当該修正内容
    3 第4条第3項の規定は、前項の規定による公表の方法について準用する。

    【運用・解釈】

    1. 実施機関は、提出された意見を考慮して、意思決定を行うものであるが、提出された意見を必ず採り入れるということではなく、提出された多様な意 見を十分考慮して、その上で判断するということがパブリック・コメント制度の趣旨である。
    2. パブリック・コメント制度は、計画等の案の賛否を問うものではないことから、賛否の結論だけを示した意見については、必ずしも実施機関の考え方を示す必要はないが、そのような意見があったことは公表する必要がある。
    3. 類似の意見が多数あった場合は、行政コストや事務の効率の点から考えて、類似する意見を集約するなど適宜整理・工夫をして公表することができる。
    4. 実施機関の考え方を公表する際の方法は、案を公表する場合に準じることとするが、実施機関の考え方を示すにあたっては、市民等にとってのわかりやすさを重視することとする。
    5. 提出された意見の中に、個人又は法人等の権利利益を害する恐れのある情報等のような公表することが不適切な情報が含まれていると判断される場合には、その全部又は一部を公表しないことができる。

    (意思決定過程の特例)
    第7条 実施機関は、地方自治法第138条の4第3項の規定により設置する審議会その他の付属機関及び実施機関が設置するこれに準ずる機関が、第4条から前条までの規定に準じた手続を経て策定した報告、答申等に基づき、施策等の策定を行うときは、パブリック・コメント手続を行わないで施策の意思決定をすることができる。

    【運用・解釈】

    1. 附属機関等(いわゆる審議会をいう。)の答申等を受けて意思決定をする場合、附属機関等がこの要綱に定める手続に準じた手続を経て策定した答申等を受けて市が意思決定を行うときには、同様の案について手続を繰り返すことは、費用対効果や効率性の観点から望ましくないと考えられることから、改めてこの要綱の定める手続を経ないで意思決定することができる。

    (参考)
    地方自治法第138条の4第3項…普通地方公共団体は、法律又は条例の定めるところにより、執行機関の附属機関として自治紛争処理委員、審査会、審議会、調査会その他の調停、審査、諮問又は調査のための機関を置くことができる。ただし、政令で定める執行機関については、この限りでない。

    (一覧表の作成等)
    第8条 市長は、パブリック・コメント手続を行っている案件の一覧表を作成し、インターネットを利用した閲覧等の方法により公表するものとする。

    【運用・解釈】

    1. 各パブリック・コメント手続の実施案件や実施状況を一覧にすることにより、いつ・どこで・どのような案件についてパブリック・コメント手続を行っているのかを市民が一覧で知ることができる。
    2. 案件の一覧表には、案件名、意見の募集期間、計画等の案等の入手方法、問い合わせ先等を記載する。

    (その他)
    第9条 この要綱に定めるもののほか、パブリック・コメント手続について必要な事項は、別に定める。

    附則
     1 この要綱は、平成17年4月1日から施行する。
     2 この要綱の施行の際、現に立案過程にある施策等で市民等の意見を反映させる機会を確保する手続を経たものについては、この要綱の規定は適用しない。

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