太田玉茗賞
ふるさと
南中学校一年 吉村 厚樹
庭にアサガオの花がさいた
青いその花は
藍で染めたように
深くきれいな色をしている
ぼくの好きな色だ
次の日もアサガオはさいた
その色はさらに青く
朝の空気に合っている
ぼくは思い出す
きついにおいと暗い染液
そこから生まれる藍の色は
ふるさとのようだ
心が落ちつく深い色
青い花のアサガオは
今日も元気にさいている
夕方青いアサガオは
しぼんでいた
ぼくはポケットから
ハンカチを取り出した
藍で染めたハンカチに
しぼんだアサガオをのせた
ふるさとのにおいがした