食虫植物『ムジナモ』を大切に育てているまち

公開日 2016年03月22日

更新日 2018年03月22日

ムジナモについて

 日本では、明治23年牧野富太郎博士によってムジナモが発見されました。ムジナモという和名をつけたのも牧野博士でした。ムジナモの全体の形がムジナ(アナグマの別称)の尾に似ているため、この名が付けられました。
 ムジナモはモウセンゴケ科に属する一属一種の珍しい植物で、根がなく水面に浮かぶ水草です。全長は6〜25cmで、4〜10mm間隔で放射状にのびた輪生葉(輪葉)をつけ、その先端が捕虫器となっています。
 厳しい環境の中で生きていくために、葉の一部を変化させて動物から栄養を得るような仕組みを作りだしたものといわれています。ムジナモの捕虫の方法は、ハエトリグサと同じ「閉じ込み方式」という方法です。捕虫器は二枚貝のような形をしており、中に獲物が入り感覚器官に触れると、50分の1秒という目にもとまらぬ速さで捕まえてしまいます。 

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ムジナモの花

 ムジナモは、夏季の日中まれに花を咲かせます。咲いている時間はわずか1〜2時間で、しかも1回限りしか開きません。さらに、当日の条件が悪ければ開かないで終わってしまうことから目にすることは難しく、「幻の花」といわれています。
 ムジナモの花はマッチ棒の先ほどの小ささで、それぞれ5枚の花弁とがく片、5本の雄しべと雌しべがあります。自家受粉を行い、数個の種子を作り、この種子からも発芽、生長します。  

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国指定天然記念物~宝蔵寺沼ムジナモ自生地~

 昭和41年5月4日に自生地が天然記念物に指定されました。
 宝蔵寺沼は川の流路変更によって生じた低湿地帯で、江戸時代からの新田開発の結果できた堀割が残り、現在日本で唯一のムジナモの自生地となっています。
 羽生市におけるムジナモは、小説『田舎教師』に登場する関訓導のモデルとしても知られる速水義憲氏が、大正10年に発見しました。現在の平島耕地あたりだといわれています。

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羽生市ムジナモ保存会

 羽生市ムジナモ保存会は、ムジナモの保護・増殖に関する調査・研究を推進し、文化財に対する意識の向上及び宝蔵寺沼ムジナモ自生地の保全を図ることを目的に活動しています。
 市民を中心とした会員は、自宅でムジナモを栽培・増殖し、種の保存を図るとともに、宝蔵寺沼ムジナモ自生地の自生区域外にムジナモを放流しています。
 現在ムジナモは野生絶滅の状況にあります。宝蔵寺沼の現状を多くの人に理解してもらい、自然環境の回復と自生地復元を目指して、野生動植物にとって水環境がいかに重要かを知っていただくため、啓発・提言等の活動を行っています。

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ムジナモの栽培に取り組む小学生

 宝蔵寺沼ムジナモ自生地が所在する地区にある三田ケ谷小学校には栽培クラブがあり、全校生徒が自生地の見学会等に参加しています。
 毎年夏になると、生徒たちが大切に育てたムジナモは白い花を咲かせています。

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