公開日 2012年04月01日
更新日 2020年07月01日
区域区分(市街化区域と市街化調整区域)
都市計画では、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るために、都市計画区域を「市街化区域」と「市街化調整区域」の二つに分けています。これが区域区分であり、二つに分けることを線引きといいます。市街化区域は、既に市街地になっている区域や今後計画的に市街地にしていく区域です。市街化調整区域は市街化を抑制する区域です。
※市街化調整区域における建築物等の制限については、開発指導係までお問い合わせ下さい。
地域地区
都市計画の種類の一つで、都市計画区域内の土地をその利用目的によって区分し、建物などについて必要なルールを定めることによって、地域または地区を単位として一体的かつ合理的な土地利用を実現しようとするものです。
地域地区は、
(1)用途及び容積率制限に関するもの
(2)用途地域と連動して建物の形や構造に関する規制を行うもの
(3)地区の個別的な位置づけ、目的に応じた規制を行うもの
に分けることができます。
(1)用途地域
都市計画では、原則として住宅は住宅地に、工場は工業地に誘導するために都市を住宅地、商業地、工業地などいくつかの種類に区分し、これを用途地域として定めています。このようにして土地利用をコントロールすることにより、良好な市街地環境の形成を図ることとしています。
用途地域の種類は全部で13種類あり、用途地域ごとに建てられる建物の用途(建物の用途についてのルール)や建ぺい率、容積率、高さなど(建物の大きさについてのルール)が定められています。
羽生市の指定状況
用途地域の種類(建物の用途についてのルール)
第一種低層住居専用地域 | 低層住宅の良好な環境を守るための地域です。 小規模な店舗併用住宅や小中学校などが建てられます。 |
第二種低層住居専用地域 | 主に低層住宅の良好な環境を守るための地域です。 小中学校などのほか、150平方メートルまでの一定の店舗などが建てられます。 ※羽生市での指定箇所はありません。 |
第一種中高層住居専用地域 | 中高層住宅の良好な環境を守るための地域です。 病院、大学、500平方メートルまでの一定の店舗などが建てられます。 |
第二種中高層住居専用地域 | 主に中高層住宅の良好な環境を守るための地域です。 病院、大学などのほか、1,500平方メートルまでの一定の店舗などが建てられます。 |
第一種住居地域 | 住居の環境を守るための地域です。 3,000平方メートルまでの店舗、事務所、ホテルなどは建てられます。 |
第二種住居地域 | 主に住居の環境を守るための地域です。 店舗、事務所、ホテル、カラオケボックスなどが建てられます。 |
準住居地域 | 道路の沿道において、自動車関連施設などの立地と、これと調和した住居の環境を守るための地域です。 |
田園住居地域 | 農業の利便の促進と、これに調和した低層住宅に係る良好な環境を保護する地域です。 第二種低層住居専用地域と同様のものが建てられるほか、農作物の生産、貯蔵の用に供するものや販売を目的とする店舗、その他農業の利便増進に必要な建物も建てられます。 ※羽生市での指定箇所はありません。 |
近隣商業地域 | 近隣の住民が日用品の買い物をする店舗などが立地できる地域です。 住宅や店舗のほかに小規模な工場も建てられます。 |
商業地域 | 銀行、映画館、百貨店、飲食店、事務所などの商業施設が立地できる地域です。 住宅や小規模な工場も建てられます。 |
準工業地域 | 主に軽工業の工場やサービス施設などが立地する地域です。 危険性、環境悪化が大きい工場のほかはほとんど建てられます。 |
工業地域 | どんな工場でも建てられる地域です。 住宅や店舗も建てられますが、学校、病院、ホテルなどは建てられません。 |
工業専用地域 | 工場のための地域です。どんな工場でも建てられますが、住宅、店舗、学校、病院、ホテルなどは建てられません。 |
建物の大きさについてのルール
■建物の面積の限度
個人個人が無秩序に敷地いっぱいに大きな建物を建ててしまうと、まち全体が空間の少ない密集したものとなってしまいます。その結果、日照や通風、採光などが悪くなるばかりでなく、火災や地震などの災害が発生したときに被害が大きくなり、避難や防災活動も十分に行えず、危険な状態になってしまいます。
そこで、これらの危険な状況をできるだけ少なくするため、建物を建てるときに建物のまわりに必要最小限の空間を残したり、建物自体の大きさを一定の制限以下に抑えたりすることが必要です。
このため、用途地域の目的に応じて都市計画で「建ぺい率」と「容積率」を定め、安全で住みやすいまちづくりが行えるようにしています。
■建ぺい率
敷地内に一定の空間を確保するための規定で、「建築物の建築面積の敷地面積に対する割合」のことです。建築面積とは建築物の水平投影面積のことです。
■容積率
地域ごとに適正な建築物の密度を抑制するための規定で、「建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合」のことです。延べ面積とは建築物の各階の床面積の合計のことです。
■建物の高さの限度
第一種・第二種低層住居専用地域内の建物の高さの最高限度
第一種・第二種低層住居専用地域は、低層住宅地の良好な環境を守るため、建物の絶対高さが決められています。
羽生市の第一種低層住居専用地域内では、高さが10mを超える建物は建てられません。
このほか、建築基準法による詳しい制限内容については、建築係までお問い合わせ下さい。
(2)防火地域又は準防火地域
建築物を耐火構造とすることにより都市火災の危険を防ぐとともに、火災発生時における防火帯及び避難拠点としての役割をもつ地域として定めるものです。羽生市では南羽生駅周辺、岩瀬地区地区計画区域内の一部、上岩瀬産業団地地区地区計画区域、栄町地区地区計画区域が準防火地域となっています。
羽生市の指定状況
また、準防火地域を除いた市街化区域全域に、建築基準法第22条区域が指定されています。
防火地域又は準防火地域における建築物の構造制限等の詳細については、建築係までお問い合わせ下さい。
(3)生産緑地地区
市街化区域内の農地等のうち、優れた緑地機能を有するなど一定の要件に該当する土地を、農業者の生産の場の確保と良好な都市環境の保全等を図るために指定するもので、地区内の建築、宅地造成等が制限されています。市内には22箇所あります。
羽生市の指定状況
(4)高度地区
用途地域内で建築物の高さの最高限度または最低限度を定めるものです。例えば和光市では、市街化区域内の大部分で高さの最高限度を定め、高い建物の乱立を防いでいます。
(羽生市での指定箇所はありません)
(5)高度利用地区
市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため、建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建ぺい率の最高限度、建築面積の最低限度並びに壁面の位置の限度を定めています。例えば熊谷駅東口のビル「ティアラ」がある場所は高度利用地区が定められています。
(羽生市での指定箇所はありません)
(6)景観地区
景観法の制定によりできたもので、良好な景観の形成を図るための地区です。地区内では、建築物のデザインや色彩、高さなどが規制されます。
(羽生市での指定箇所はありません)
(7)特別緑地保全地区
都市の緑地を保全するために指定する地区で、無秩序な市街化や公害・災害の防止効果があるもの、神社、寺院等の建造物と一体となった伝統的なもの、風致景観が優れているものや動植物の生息地または生育地として保全する必要があるものが指定対象となります。地区に指定されると、建築物の新築や改築、宅地の造成などを行うときは許可が必要です。
例えば新座市の妙音沢緑地は、東京近郊ではめずらしい貴重な山野草が自生していることから、特別緑地保全地区に指定されました。
(羽生市での指定箇所はありません)
(8)伝統的建造物群保存地区
その名のとおり、伝統的な建造物及びこれと一体をなしてその価値を形成している環境を保存するために定める地区です。地区に指定されると建築物の新築や改築、宅地の造成などを行うときは許可が必要です。川越市の蔵造りの建物が建ち並んでいる場所は、これが指定されています。
(羽生市での指定箇所はありません)